漠然とした不安を解消 自分らしい生き方の羅針盤となる『価値観』を見つけるワーク
漠然とした不安を解消 自分らしい生き方の羅針盤となる『価値観』を見つけるワーク
40代後半となり、お子様の子育てが一段落を迎える頃、今後のご自身の人生やキャリアについて漠然とした不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。「このままで良いのだろうか」「これから何を目標に生きていけば良いのだろうか」といった思いが頭をよぎることもあるのではないでしょうか。
このような漠然とした不安の背景には、「自分にとって何が大切なのか」「どうありたいのか」といった、自分自身の軸が見えづらくなっていることが考えられます。そして、その自分自身の軸こそが「価値観」に他なりません。
価値観とは何か、なぜ今「価値観」が大切なのか
価値観とは、私たちが物事を判断したり、行動を選択したりする際に無意識のうちに基準としている「大切にしていること」「これは譲れないこと」といった内なる羅針盤のようなものです。例えば、「安定」「成長」「貢献」「自由」「調和」など、人によって大切にしている価値観は様々です。
この価値観が明確になっていると、人生の様々な岐路に立った時に、自分にとって最良の選択をしやすくなります。逆に、価値観が曖昧なままだと、他者の意見や社会の常識に流されやすくなり、結果として「これで良かったのだろうか」と迷いや後悔が生じやすくなるのです。
子育てが一段落し、ご自身の時間や今後の可能性について改めて考える今だからこそ、一度立ち止まってご自身の価値観と丁寧に向き合うことが、漠然とした不安を解消し、自分らしい生き方を見つけるための確かな一歩となります。
自分自身の『価値観』を探すワーク
ここからは、ご自身の価値観を探すための具体的なワークをご紹介します。静かで落ち着ける場所で、ノートとペンをご用意ください。心に浮かんだことをそのまま書き出すことが大切です。難しく考えすぎず、リラックスして取り組んでみましょう。
ステップ1:過去の経験を振り返る
まずは、これまでの人生で経験した出来事をいくつか思い返してみてください。特に、以下の点に注目してみましょう。
- 最も「楽しかった」「充実していた」「夢中になった」と感じたのはどんな時でしたか?
- 「強い喜び」「達成感」を感じたのはどんな時でしたか?
- 逆に、「強い怒り」「不満」「悲しみ」を感じたのはどんな時でしたか?
- 誰かの言動に「心を動かされた」「感動した」のはどんな時でしたか?
- 「どうしても許せなかったこと」「これだけは譲れなかったこと」は何ですか?
それぞれの経験について、具体的にどのような状況だったのか、その時自分はどう感じ、何を考えたのかを、できるだけ詳細に書き出してみてください。
ステップ2:感情の背景にあるものを深掘りする
書き出したそれぞれの経験について、「なぜそう感じたのだろうか?」と問いかけてみましょう。
- 楽しかった・充実していた経験について:何があなたを惹きつけ、何に価値を感じていたのでしょうか? その経験から得られたものは何でしょうか?
- 怒り・不満を感じた経験について:何があなたの価値観と衝突したのでしょうか? 何が満たされなかった時に不快に感じたのでしょうか?
- 感動した経験について:相手のどんな姿勢や状況に心を動かされたのでしょうか? それはあなたにとってなぜ素晴らしいと感じられたのでしょうか?
- 許せなかった・譲れなかったことについて:それは、あなたにとってどんな大切なものが脅かされたと感じたからでしょうか?
この深掘りによって、表面的な感情の奥にある、あなたの根源的な欲求や大切にしているものが浮かび上がってきます。
ステップ3:繰り返し現れるキーワードを抽出する
ステップ1とステップ2で書き出した内容を俯瞰してみましょう。何か共通するテーマや、繰り返し現れる単語、フレーズはありませんか?
例えば、「新しいことを学ぶのが楽しかった」という経験や、「困難な課題を乗り越えた時に達成感があった」という経験が複数あるなら、「成長」や「挑戦」といったキーワードが見つかるかもしれません。「人の役に立てた時に喜びを感じた」「誰かの笑顔を見ることが好きだ」といった経験が多いなら、「貢献」や「繋がり」がキーワードとして浮かび上がるでしょう。
書き出した内容全体から、自分にとって重要だと感じられるキーワードをリストアップしてみてください。最初は何となく気になった言葉で構いません。
ステップ4:キーワードを『価値観』として整理する
リストアップしたキーワードを、より一般的な「価値観」を表す言葉に置き換えてみましょう。
例えば、 * 「新しいことを学ぶ」→「成長」「探求」 * 「困難を乗り越える」→「挑戦」「達成」 * 「人の役に立つ」→「貢献」「奉仕」 * 「自分のペースで働く」→「自由」「自律」 * 「家族との時間を大切にする」→「家族」「調和」
このように、抽象度を上げてご自身の価値観を表す言葉に変換していきます。いくつかのキーワードが、同じ一つの価値観にまとめられることもあります。最終的に、ご自身が「これこそが自分の大切にしていることだ」としっくりくる価値観のリストを作成してみてください。
ステップ5:価値観に優先順位をつけてみる(任意)
作成した価値観リストの中で、特に自分にとって重要だと思うものに優先順位をつけてみましょう。これは必須ではありませんが、複数の価値観がぶつかるような状況で、より自分らしい選択をするための助けとなります。
ワークを実践する上でのポイント
- 紙に書き出す: 頭の中で考えるだけでなく、必ず紙やノートに書き出しましょう。思考が整理され、客観的に自分を見つめやすくなります。
- 時間を確保する: 短時間で終わらせようとせず、まとまった時間を確保してじっくり取り組みましょう。途中で中断しても構いませんが、静かに内省できる環境を整えるのが理想です。
- 完璧を目指さない: 一度ですべての価値観を見つけようと気負う必要はありません。このワークは一度きりではなく、定期的に行うことでより深まっていきます。
- 正直になる: 「こうあるべき」という理想や、他者からどう見られるかを気にせず、ご自身の本心に正直に向き合いましょう。
価値観が明確になることで得られる効果
このワークを通じてご自身の価値観が明確になると、以下のような効果が期待できます。
- 漠然とした不安の解消: 不安の原因が、実はご自身の価値観と現状とのズレにあることに気づき、不安の正体を理解できます。
- 迷いが減る: 選択に迷った際に、ご自身の価値観を基準に判断できるようになり、自信を持って決断できるようになります。
- 自分らしい目標設定: ご自身の価値観に基づいた、心からやりたいと思える目標を見つけやすくなります。
- 行動力が上がる: 価値観に沿った行動は、内側からエネルギーが湧きやすく、継続しやすくなります。
- 人間関係の質の向上: 自分が大切にしていることが分かると、どのような関係性を築きたいか、どのような環境が心地よいかが分かりやすくなります。
まとめ
子育てが一段落した今、今後の人生に漠然とした不安を感じるのは自然なことです。それは、ご自身が新しいステージへ進む準備ができているサインかもしれません。
今回ご紹介した「価値観を探すワーク」は、ご自身の内面に深く光を当てるためのパワフルな手法です。時間をかけてご自身と向き合い、自分らしい生き方の羅針盤となる価値観を見つける旅に出かけてみませんか。
このワークで明確になった価値観は、これからあなたが歩む道のりを照らし、自分らしい輝きを見つけるための確かな基盤となるはずです。ぜひ、ノートを開いて最初の一歩を踏み出してみてください。